AQSGセミナーinリンカーン 1
みなさんこんにちは、エミです。
10月の2日から9日までアメリカ、ネブラスカ州のリンカーンに1週間ほど行っていました。
旅の目的はAQSGのセミナーに参加するためです。
AQSGとはAmerican Quilt Study Groupの略で、見ておわかりいただけるようにStudyの文字が入っています。
このグループはキルトでも実際に縫うという事より、学術的にキルトを研究したいという方がメンバーとなり皆でアメリカの歴史などを交えて知識を深めていこうという目的で活動しています。
年に1回行われるセミナーは33回目で場所はリンカーン。
リンカーンにはネブラスカ州立大学があり、その大学院では“テキスタイル、マーチャンダイズ&ファッションデザイン”と呼ばれるコースでキルトを主にテキスタイルの歴史を学ぶことができます。
そして大学のキャンパス内にIQSC,( International Quilt Study Center and Museum)と呼ばれるミュージアムがあり、歴史を紐解く上で重要なキルトが展示されています。
今回のキルトジャパンにこのミュージアムが詳しく紹介されています。(情報はこちらから)
AQSGはこのIQSCの協力を受けて今回この地で行うことにしました。
参加者はなんと289名!男性もいらっしゃいました♪
セミナーが始まる1日前に着いたので、まずはネブラスカ大学のキャンパスを散歩することにしました。
私は東京にある大学に行ったので、広大なキャンパスにただただ圧倒されました!
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AQSGのほとんどのイベントは滞在したEmbassy Suites ホテルで行われました。
参加メンバーは前もってパンフレットを参考にして、どのセミナーを受講するか希望をだしています。
私は"Your Quilts: Where do you go from here?" "Exploring Early 20th century Quilts""Feed Sacks From the Depration Era"と"Ely&Walker: Who Knew?"の4つのレクチャーを受講しました。
実は今回このセミナーの事を教えてくれたのはアメリカ人の友人アイリーンでした。
昨年10月に彼女のご自宅があるハートフォードに若山さんと遊びに行ったのを覚えてらっしゃいますか?(バックナンバーは こちらから♪) その後も連絡を取り合っていて、「こんなセミナーがあるけれどエミは興味ある?」と誘ってくれました。
私の英語力ではかなり不安だったので(笑)とても安心して楽しく1週間過ごせました!(お部屋も同じルームメイト!毎日夜遅くまで話していました♪)
"Exploring Early 20th century Quilts"
1900年から1930年代はヴィクトリアンからモダンへ、暗色から明色へ、キャラコから洗っても色落ちしない先染めやシャンブレーなどの動きがみれる時期です。
もともとキルトは暖をとるためのものでしたが、この頃のキルターはよりファッショナブルだったり、第一次世界大戦の影響で愛国心の強いデザインを好んだり、倹約的で実用的なものを作ったりしていました。
トップではぎ合わさっている布からもその年代を読みとることはできますが、裏を返してみると、その当時の生活の1コマを垣間見ることもできます。
"Feed Sacks From the Depration Era"
みなさんも1度はフィードサックという言葉を耳にしたことがあるはず。フィードサックは農場や家畜用の飼料袋のことです。
1860年代まで飼料となる穀物や製粉はバスケットや箱、樽などに入れて運ばれていましたが、それでは馬で運ぶのが困難だったので、布の袋が後に登場します。
最初の袋は樽と同じサイズだったので(88kg、22kg、10kg、5.4kg)、主婦が家庭で使うのには大きすぎました。
そこで1910-20年代にはもっと軽い2.7kg、1.8kg、0.9kg、0.4kg袋が作られました。
1943年にWar Production Broad (第2次世界大戦に向けての軍需生産)の決まりで、45kg、22.6kg、11.3kg、4.5kg、2.2kg、0.9kg(元の重さの単位はポンドで、それぞれ100、50,25,10,5,2ポンド)になり現在でもこれがスタンダードの様です。
トップにはフィードサックの生地が見えなくても、裏を返すとマークのついたシンプルなフィードサックをつなげて裏布にしてるのがわかります。
当初袋は飼料などを運ぶ目的で作られましたが、物を大事にする時代だったので、それを再利用して使うようになり、メーカーも無地だけでなく、花柄などかわいいプリントに会社のロゴは紙に印刷してそのラベルは後からはがせるようにしました。
中にはエプロンがすぐ作れるようにプリントしてあるものもあります。
さて、あなたが持っているフィードサックがホンモノかどうか見分けるポイントがあります。それは大きな縫った後の穴。
袋状になった後飼料などの重いものを入れるため、縫ったまわりの布目が引っ張られ消えることのない大きな穴ができます。
もしくはすでに工場などのロゴや所在地が印刷されているものはフィードサックです!
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